神経痛とは

神経痛

神経痛とは、何かしらの刺激を末梢神経が受けることで起きるとされる痛みのことを言います。この場合は、電気が走っているかのようなピリピリあるいはジンジンとした痛みが伴うことが多いです。なお、主な神経痛につきましては、以下の通りです。

坐骨神経痛

坐骨神経とは、腰から足の爪先まで伸びている末梢神経になります。何らかの原因で同神経が圧迫を受けてしまい、それによって腰もしくは尻のあたりから膝や足首の外側にかけて痛みやしびれ(大半は片側)、間欠跛行(長時間歩くと痛みで歩けなくなる、休み休みでないと歩けない)、足に力を入れることができないといった症状があるという場合、坐骨神経痛と診断されることがあります。

上記のような症状が現れる主な原因として考えられているのが、腰椎にある骨や椎間板の変形です。具体的には、腰椎椎間板ヘルニア、梨状筋症候群、腰部脊柱管狭窄症、腰椎分離すべり症といった疾患を発症することで、坐骨神経痛がみられている可能性が高いです。そのため、医師が詳細な検査が必要と判断すれば、X線撮影(レントゲン)、CT、MRIなどの画像検査を用いて、同神経痛の原因を特定するようにします。

治療に関してですが、坐骨神経痛による痛みが激しいという場合、消炎鎮痛剤や神経ブロック注射を使用するなどして、痛みを軽減させるようにします。このほかにもリハビリテーションによる理学療法として、筋力をつけるための運動療法、ホットパックを患部につけて血行を改善させる温熱療法などの物理療法といったことも行います。これらは全て保存療法となりますが、それでも改善が困難ということであれば、手術療法となります。

三叉神経痛

顔面で得たとされる感覚を脳に伝えていく神経を三叉神経と呼びます。同神経は、眼神経(三叉神経第1枝)、上顎神経(三叉神経第2枝)、下顎神経(三叉神経第3枝)に分類されますが、これらの神経に異常などが起き、圧迫されてしまうと顔面の片側が、まるで針で突かれているような痛み(人によっては電気が走る など)に襲われるようになります(なかでも三叉神経第2枝、第3枝あたりで、痛みは時間にして数秒~2分間ほど続く)。これを三叉神経痛と言います。

1度に感じるとされる痛みというのは、長くとも2分間ほどですが、これが発作的に何度も繰り返されるようになるので、うつ状態になりやすくもなります。なお、三叉神経痛は原因が特定できない場合と原因疾患が特定できる場合とに分けられますが、一般的には前者の状態を三叉神経痛と呼ぶことが多いです。ちなみに三叉神経痛の症状がみられる疾患には、脳腫瘍、多発性硬化症、帯状疱疹のほか、血管が三叉神経を強く圧迫することで痛みが出るということもあります。

治療の基本は、抗てんかん薬(カルバマゼピン など)による薬物療法になります。それでも症状の改善が困難であれば、三叉神経ブロック注射や放射線治療によって痛みを軽減させるようにします。これらでも効果がないという場合は、手術療法となります。

肋間神経痛

肋骨と肋骨の間には、肋間神経と呼ばれる神経が走っているのですが、これに痛みが生じていると肋間神経痛と診断されます。

この痛みは、肋骨に沿って起きるとされ、その大半は左右どちらかの肋間神経で現れます。主な原因は、腫瘍や肋骨骨折などによる肋間神経の圧迫、帯状疱疹による後遺症、内臓疾患に関連した痛み、ストレスといったことが挙げられます。痛みについては、急激に短時間のみ発生することもあれば、痛みが持続的に続くということもあります。

治療に関してですが、腫瘍や骨折が原因なら、それらの治療を行っていきます。上記以外の場合は、対症療法として鎮痛剤などを用いる薬物療法となります。それでも痛みが緩和できないということであれば、神経ブロック注射を使用します。